ダブルバルーン内視鏡
概要
小腸は全長5-6mと非常に長い臓器であり、口や肛門からも遠い場所に位置しているため、内視鏡による観察と治療が非常に難しい臓器でした。ダブルバルーン内視鏡を用いることで患者さんの苦痛や負担が少なく小腸の観察や治療が可能となり、当院でも積極的に行っています。
ダブルバルーン内視鏡とは
ダブルバルーン内視鏡
ダブルバルーン内視鏡は消化管からの出血症状(血便など)がある方で、胃カメラや大腸カメラでは出血源が認められなく小腸からの出血が疑われる方や、カプセル内視鏡やCT検査で小腸に病変を疑う方に対し検査を行います。
内視鏡と内視鏡と外側に装着するオーバーチューブの両方に2つの風船(バルーン)が付いており、この風船を伸縮させることにより内視鏡を尺取り虫のように奥に進めることができ、全長5-6mと長い小腸を観察することが出来ます。また、内視鏡から道具を出して、小腸にある病変でも、止血処置を行ったりポリープを切除したりすることも出来ます。
内視鏡と内視鏡と外側に装着するオーバーチューブの両方に2つの風船(バルーン)が付いており、この風船を伸縮させることにより内視鏡を尺取り虫のように奥に進めることができ、全長5-6mと長い小腸を観察することが出来ます。また、内視鏡から道具を出して、小腸にある病変でも、止血処置を行ったりポリープを切除したりすることも出来ます。
ダブルバルーン内視鏡の実際
黒色便を認めたため当院を受診されました。胃カメラと大腸カメラを行いましたが、出血源は不明でした。ダブルバルーン内視鏡を施行したところ小腸に血管拡張症を認めました(画像1)。アルゴンプラズマで焼灼して止血処置を行いました(画像2)。
治療実績
ダブルバルーン内視鏡は消化器内視鏡検査の中でも高い技術が要するため、まだ限られた施設でしか行われていない検査、治療です。当院では年間50件前後、のべ1000件を超える豊富な経験があります。
(文責:青木智則)
(文責:青木智則)
(画像1)小腸血管拡張
(画像2)アルゴンプラズマ焼灼療法