消化管ステント留置術

癌によって消化管(食道、胃、十二指腸、大腸)が閉塞した際に、消化管ステントを留置して消化管の閉塞を解除します。内視鏡を用いて留置できるため、外科的なバイパス術と比較して身体への負担が少ない治療です。

症状

癌が進行すると消化管が閉塞することがあります。食道、胃、十二指腸が閉塞すると、吐いてしまったり、食事を摂ることができなくなります。また大腸が閉塞すると、便が出なくなってしまい、大腸の内圧が上昇し穿孔(腸に穴が開くこと)を生じる危険性もあります。これまでは胃十二指腸閉塞に対しては外科的バイパス手術(胃と小腸をつないで迂回路を作る手術)が、大腸閉塞に対しては人工肛門造設術が広く行われていましたが、最近では消化管ステントもひとつの治療選択肢となってきています。

検査・診断の方法

腹部レントゲン検査および腹部CT検査によって閉塞部位を同定します。また同時に、消化管閉塞の部位が複数ないことを確認します。その後、消化管造影検査や内視鏡検査によって実際の消化管閉塞の詳細を評価します。
 
図1. 大腸閉塞の腹部CT検査
図1. 大腸閉塞の腹部CT検査
図2-1. 胃十二指腸閉塞における消化管造影検査、内視鏡検査
図2. 胃十二指腸閉塞における消化管造影検査、内視鏡検査
図2-2. 胃十二指腸閉塞における消化管造影検査、内視鏡検査
図2-2. 胃十二指腸閉塞における消化管造影検査、内視鏡検査