特に症状はなく、偶発的に見つかることが多いですが、出血などが発見の契機になることもあります。
遺伝的にできやすい方以外においては、はっきりとした原因は分かっていません。
小腸の病変は胃・大腸に比較して少ないのですが、近年では十二指腸腫瘍の発見頻度が高くなっており当院においても治療対象症例が増加傾向です。
十二指腸の腫瘍については、リンパ腫のような非上皮性腫瘍もありますが消化器内科で治療対象になるものは上皮性腫瘍と言われるものです。上皮性腫瘍は乳頭部にできるものか、それ以外にできるものかに大きく二分されます。乳頭部は肝臓とつながる胆管や膵臓とつながる膵管の出口でありそれらを塞いでしまうと黄疸や胆管炎・膵炎が起こることもあります。乳頭部以外のところにできるものを十二指腸非乳頭部上皮性腫瘍(SNADET)といいます。
また、通常の上部消化管内視鏡検査では十二指腸の途中までの観察にとどまることが多く、それより深部の観察には特殊な内視鏡(バルーン内視鏡・カプセル内視鏡)が必要となることもあります。
腺腫や早期癌で内視鏡治療が可能な病変についてはEMRやESDといった従来から行われていた内視鏡治療の他、under water EMRといった近年有用性が報告されている治療法ができます。また外科と連携した比較的低侵襲な手術が行われることもあります。