留学先紹介

海外

Harvard Medical School and Massachusetts General Hospital (Boston, USA)
Columbia University (New York, USA)
New York University (New York, USA)
Cold Spring Harbor Laboratory (New York, USA)
Weill Cornell Medicine (New York, USA)
Stanford University (Stanford, USA)
UCSD (La Jolla, USA)
The University of Adelaide (South Australia, Australia)
Flinders University (South Australia, Australia)

国内

がん研有明病院
星薬科大学
慶應義塾大学
 

留学中の医局員からの声

Harvard University: 加藤裕之(2011年卒)

私は東大で患者由来の膵癌培養モデルの開発とそのエピゲノム解読を学ばせて頂きました。癌ゲノムという複雑なビッグデータを解析することで疾患の核心に迫る手法に魅了され、その経験からゲノムを越えた様々な網羅的アプローチによる一層の癌の本質解明を夢見て、2022年8月よりハーバード大学に留学しています。ここ学術都市ボストンでは、ハーバード、Broad研究所、MITなどの著名な機関が連携し、デジタル×バイオを融合させた次世代の研究戦略が日々提案されており、大きな波を体感しながら充実した毎日を過ごしています。
私が師事するNabeel Bardeesy博士は膵癌研究の権威であり、近年は胆管癌でも臨床に還元し得る革新的知見を報告しています。総勢13名のPhDとoncologistが一丸となって消化器悪性腫瘍の突破口を探求しています。ゲノム解読の時代を経て、ゲノム異常から派生する腫瘍のエコシステムを包括的に理解する重要性が増していますが、私は修飾プロテオミクスや機能ゲノミクス、腫瘍内の空間的な細胞間ネットワーク解析などを組み合わせ、特定のゲノム異常がいかにして腫瘍生存回路を形成していくかを探求しています。癌腫を越えてその全貌を把握し、これにより新たな治療法に貢献することを目指しています。
東大で培った知識を糧に、留学先では技術面において何不自由なく取り組むことができ、Bardeesy博士からも特に優遇してプロジェクトを推進して頂けるなど大変恵まれた環境で研究に取り組むことができています。東大消化器内科は代々先輩方が名門校に留学、エースとして活躍され世界の技術を東大で発展・共有されてきたという好循環があり、私の留学もひとえに東大消化器内科で学べたおかげと感謝しております。とりわけ、世界の機関に身を置くことで東大の指導力と卓越性を実感しています。先進技術やシステムにおいては米国がリーダーシップを有していますが、人材面では東大消化器内科が世界の名門に匹敵、または凌駕していると痛感します。米国にいても心から尊敬・目標となるのは東大の先生方であり、刺激を受けて奮い立たされるのは同期・後輩の世界的活躍のおかげであります。素晴らしい交友関係のもと切磋琢磨できる東大消化器内科での学びは世界への扉を開く一歩となると言えるでしょう。
ささやかではありますが私も少しでも多くの技術を持ち帰り、将来のキャリアパスを開拓できる伝統ある東大消化器内科の好環境を次の世代の皆さまへ継承できればと、日々勉強に励んでいます。
最後になりますが、本留学にあたり多大なるご支援を頂戴しました藤城光弘教授、並びに多岐にわたるご指導を頂戴した東大消化器内科の皆様方にこの場を借りて深く感謝を申し上げます。