東大病院消化器内科の専門研修(後期研修)に関する詳しい情報を御紹介します。
東大病院消化器内科では卒後二年間の初期研修を修了された先生に、その後、消化器内科医としての専門研修を積んでいただくために下記の病院と連携をしています。
病院名 | 病床数 | 所在地 | |
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旭中央病院 | 989 | 千葉県旭市イ1326 | |
がん研有明病院 | 686 | 東京都江東区有明3-8-31 | |
関東中央病院 | 403 | 東京都世田谷区上用賀6-25-1 | |
国立国際医療研究センター病院 | 749 | 東京都新宿区戸山1-21-1 | |
埼玉医科大学総合医療センター | 1,053 | 埼玉県川越市鴨田1981 | |
三楽病院 | 267 | 東京都千代田区神田駿河台2-5 | |
JR東京総合病院 | 425 | 東京都渋谷区代々木2-1-3 | |
同愛記念病院 | 403 | 東京都墨田区横網2-1-11 | |
東京警察病院 | 415 | 東京都中野区中野4-22-1 | |
東京新宿メディカルセンター | 520 | 東京都新宿区津久戸町5-1 | |
東京逓信病院 | 461 | 東京都千代田区富士見2-14-23 | |
東京都健康長寿医療センター | 550 | 東京都板橋区栄町35-2 | |
東京山手メディカルセンター | 418 | 東京都新宿区百人町3-22-1 | |
日本赤十字社医療センター | 701 | 東京都渋谷区広尾4-1-22 | |
練馬光が丘病院 | 342 | 東京都練馬区光が丘2-11-1 | |
日立総合病院 | 635 | 茨城県日立市城南町2-1-1 | |
三井記念病院 | 482 | 東京都千代田区神田和泉町1 | |
東京大学医学部附属病院 | 1,226 | 東京都文京区本郷7-3-1 |
東大病院で研修歴のある先生も、他の病院で初期研修をされた後に東大病院消化器内科に加わる先生も、専門研修はこれらの連携病院で通常3(~4)年間行われます。その専門研修のあいだに専門医取得に向けて臨床の実力を磨くとともに、大学病院に戻るのに備えて当科の大学院を受験していただいています(「大学院のご案内」参照)。東京大学消化器内科に戻ったあとは、大学病院でさらに専門的な研修を続けていただきます。
上記が一般的な研修モデルですが、各先生方の事情もその都度考慮し、無理のない研修システムの構築を心がけています。専門医制度も移行期で流動的ではありますが、当科および連携病院では柔軟に対応いたします。
消化器内科は対象臓器が多岐にわたるため、当科では大きく「消化管領域」「肝臓領域」「胆膵領域」の専門グループを擁しています。専門研修のあいだは、まず領域を限定せず満遍なく研修をして「消化器内科医としての基礎」を十分に習得していただいたのちに、大学病院に戻ってからは徐々に専門性を深めた研修ができるよう配慮しています。 以下に、三つの領域それぞれの研修の特色を記します。
消化管領域 の研修では、上部内視鏡のスクリーニング検査から開始し、習熟度に応じて下部内視鏡スクリーニング検査、内視鏡的粘膜切除術へと学んでいただきます。施設により若干の症例数の差はありますが、どの施設でも十分な症例数を経験することができます。また連携病院が地域の基幹病院であるといった特性から緊急疾患も多く経験でき、出血性胃潰瘍に対する止血術や食道静脈瘤破裂に対する内視鏡的静脈瘤結紮術、腸閉塞に対するイレウス管挿入術など消化器内科医としての必須手技を学べます。もちろん内視鏡手技以外にも担癌患者の化学療法や炎症性腸疾患の治療についても経験できます。
専門研修を終えて大学病院に戻ってからは、より専門的な手技であるダブルバルーン内視鏡や内視鏡的粘膜切除術、消化管ステント挿入術などを症例経験豊富な指導医について学ぶことができ、新たなエビデンスを生み出すための研究や研究成果の学会・論文での発表の機会も多く充実した研修を積めると考えています。
肝臓領域 は、急性肝炎から肝細胞癌に至るまで、多岐に渡る疾患を対象にしています。また、心臓や腎臓などの他臓器や、代謝の観点から幅広い病態と関連する特徴があり、肝臓のみならず全身を診ることができる医師の育成を心掛けています。当科の連携病院は、一般内科に加え、肝臓領域でも特に肝細胞癌に対する内科的治療を積極的に行う施設が多い特徴があります。肝生検に加え、病院によっては術者としてRFAや肝動脈塞栓術も行うことが可能であり、肝疾患に対するトータルマネジメントを第一線で学ぶことが可能です。
大学病院では国内屈指のレベルを誇る肝癌治療チームでRFAの修練を積む以外にも、基礎研究やtranslational researchを行うなど様々なキャリア選択肢があり、各人の意向を最大限尊重した上でメンターが親身に指導を行う体制を築いています。特に女性の場合は出産や子育てなど一時仕事を中断するタイミングがありますが、共働きの医師も多いことからお互いに助け合うバックアップ体制を敷いており、気兼ねなくキャリアと家庭を両立させることが可能です。カンファランスはオンラインで行い、研究指導もクラウドを活用しているため時短勤務の場合も自身のペースで研鑽を積むことが可能です。臨床でも研究でも、国内屈指の施設だからこそ社会から期待されている仕事があり、日々やりがいを感じながら研修を行えます。
胆膵領域 の研修では、総胆管結石や急性膵炎などの良性疾患から膵癌・胆道癌などの悪性腫瘍まで幅広い疾患を扱います。患者さんごとに病態が異なりますので、緊急度・重症度を的確に判断してマネジメントを行う必要があります。東京大学消化器内科の連携病院では、胆膵専門医とともに豊富な症例数を経験することで胆膵疾患に対する臨床力を養うことができます。また胆膵領域ではERCPや超音波内視鏡(EUS)など様々な内視鏡治療が行われています。これらは内視鏡手技の中でも難易度が高いとされていますので、専門研修ではまず助手から経験を積んでいただき、習熟度に応じて術者を経験することでスキルアップできる環境を整えています。施設によってはファントムモデルを使ったシミュレーション教育も行っています。
専門研修を終えて大学病院に戻ってからは、世界レベルの高難度手技(Interventional EUSなど)を経験したり、様々な臨床研究に参画することができます。またERCP、EUSの術者としての技量を磨いていただくため、アセスメントシートで個々人の到達度をチェックして効率的なスキルアップを目指しています。さらに学会発表や論文投稿の機会も多く、臨床・研究ともに充実した研修を準備しています。
見学をご希望の方は、下記メールアドレス宛にご連絡いただければ、担当者が日程を調整いたします。当科での研修にご興味のある方も、まずはお気軽にご連絡ください。大歓迎です。
* 「/at/」を「@」に置き換えてください。
なお、病気のご相談などにはお答えできませんので、ご了承いただきますようお願いいたします。